この機種は、32インチ液晶一体型のテレビ機能付きのパソコンなのですが、液晶が真っ黒のままという現象が発生した場合、通常は液晶パネルやインバーター回路の不具合を疑いますが・・・この機種の場合電源ユニットの液晶用回路(24V)の電解コンデンサーの故障(液漏れ)により、液晶が映らず真っ黒のままということが多いようです。
早速電源ユニットを送付していただきました。
電源ユニットはおなじみのAcBel API4PC50で今回はREV.Dでした。
内部を確認してみると
2次側の平滑用電解コンデンサーが4個液漏れを起こしていました。
C15・・・1000μF 10V C62・・・1000μF 16V C71・・・330μF 35V C70・・・680μF 35V の4個です。
このうちC71とC70が液晶用(24V)電源系統の平滑用電解コンデンサーなのですが、2個とも液漏れを起こしてしまっており、液晶回路へ正常に電源を供給できないために画面が真っ黒のままとなっていると考えられます。
今回も2次側の平滑用電解コンデンサー11個を日本製の低ESRタイプに交換しました。液漏れしている電解コンデンサーだけを交換すればよいような気がしますが、また別の箇所の電解コンデンサーが液漏れを起こす心配もあるので、液漏れの可能性のあるものを信頼性の高いものに交換しておいた方が、今後も安心して使えます。
検証用パソコンで1日かけて負荷テストを行いましたが、問題ありませんでしたので、ご返却です。
p.s.お客様の方で電源ユニットを取り付けて「正常に起動しました」とご連絡をいただきました。(2009/12/4)