パソコンは VALUESTAR PC-VL47E7Dスリム型のデスクトップパソコンです。
まずは現状確認です。
電源ボタンを押すと電源ランプは点きます。電源FANも回転しています。DVDドライブのボタンを押すとトレイの開閉はできます。・・・しかしディスプレイには何も表示されません。BIOSも立ち上がりません。
FANやDVDドライブが動くので、電源ユニット自体は大丈夫のようです。
大元のACコンセントを抜いて暫く放置してから電源を入れてみましたが、状況は変わらず。
とりあえず、カバーを外してみて外観をチェックしましたが、異常は見当たりませんでした。
う~ん、この場では修理は出来ないと思え、お引取りしました。一応リカバリーディスク一式もお預かりしました。
では詳細の調査です。電源ランプは点くのでこの状態で電源ユニットの各電圧出力の確認です・・・各電圧正常に出力されています。
次はマザーボード上の部品の確認です。お客様のところでは部品の異常は確認できなかったのですが・・・PCIスロットにささっていた、LAN・モデムカードを取り外してみたら????
うん?なんか傾いている電解コンデンサーがあります。 よく上の基盤の部品との干渉で、わざと部品を傾けて取り付けることもあるのですが・・・どうも様子が変です。
よ~く見ると・・・なんとこの電解コンデンサー破裂していて、ケースが上に抜けかかっていました。

通常電解コンデンサーは、何らかの原因で破裂にいたる場合でも、頭部に防爆弁と呼ばれる切込みが入れられており、ここが変形して、急激な爆発を防いでいます。
今回の場合は、頭部の変形はそれほどなく、底部が抜けてケースが「たけのこ」のように上へ上がってしまっています。うわさには聞いたことがありますが、実際に目にするとびっくりです。

このコンデンサーは3.3Vの平滑用に使用されていたので、故障のためCPUが動作できなかったものと思われます。
電解コンデンサーを交換しました。パソコンの基盤は多層基盤が使われており、半田ごても熱量の大きいものを使わないと取り外しが困難です。
このコンデンサーの真上にLAN・モデムボードがささっていたのですが、ほとんど隙間がなく、放熱的にもよくないので・・・LAN・モデムボードをもう一つ上部のPCIスロットに差し替えました。これで多少は放熱的に有利になります。
最終チェックを行い、電源をON・・・ビープ音と共にメーカーロゴが表示され、Windowsが起動しました。
半日ヒートランを行いましたが、問題ありませんでしたのでお引渡しです。