パソコンを起動すると・・・「ディスク容量不足」の警告が表示され、インターネットを見ていても途中でフリーズしてしまう。パソコン自体の動作も遅くなった・・・調べて欲しいと連絡がありました。
ディスクの容量不足の警告が本当であれば、エクスプローラーで実際の空き容量を確認すればよいのですが・・・お客様に事前に確認をお願いしましたが、操作がよくわからないとのことでした。
お伺いしました。Windows10のデスクトップパソコンでした。
電源を入れてみると・・・確かになかなかWindowsの起動が完了しません。
ずっと待っていると・・・デスクトップ画面が表示され、暫くすると画面右下に「ディスク容量不足、云々」のメッセージが表示されました。
ディスクの様子を確認してみると・・・Cドライブが全容量100GBで、空きが98MB(MBです!)真っ赤に表示されています。全く空きがありません。
もう一つDドライブが割り振られており、そちらは全容量約850GBで、全く使われていません。
使用しているHDDは1TBのもので、それをC:100GB、D:850GB(残りは隠しパーティション)に割り振られていました。
う~ん、1TBの容量があるのに、Cドライブに100GBしか割り振っていないので、暫く使っていれば、空き容量が不足するのも当然です。
お客様も、警告に従っていらないファイルの削除を行ったそうです。しかし多少空き容量が増える程度で、すぐに警告が表示されてしまうそうです。
HDD自体は「正常」状態でしたので、ほとんど使っていないDドライブの総容量を減らして、その分をCドライブに増やすことにしました。
このようなパーティション操作は、失敗する場合もあるので、基本的にはディスクの丸ごとバックアップを取ってから行うのですが、そうすると一旦お預かりすることになります。お客様は、パソコンは預けたくなく、すぐにも使えるようにして欲しい・・・とのことでしたので、パーティション操作が失敗するリスクがゼロでないことを了解いただいた上で、作業を続けました。
Cドライブに全く空き容量が無い場合、パーティション編集アプリをCドライブにインストールすることはできませんし、DドライブにインストールしてもCの空きが98MBでは、うまく動作しない可能性があります。
そんな場合は、予め作成しておいたCD(WinPE版)から起動します。(EaseUS Partision Masterを使用)
CDからEaseUS Partision Masterが起動してきたら、まずDドライブの総容量を減らします。
お客様と相談し850GB→300GBにしました。これで「未割当の領域」が約500GB程度できましたので、今度はCドライブを容量を100GB→650GBに変更しました。
パーティション変更完了後、パソコンを再起動しました。
今度は、通常の速度でWindowsが起動してきました。デスクトップ画面が表示後も、「ディスク容量不足」のメッセージが表示されなくなりました。
ディスクの様子を確認すると・・・Cドライブに十分な空き容量があります。Cの総容量は、100GB→650GBと6倍以上になったので、これで空き容量の心配はなくなりました。
お客様にいろいろ操作していただきましたが、元の動作速度に戻ったことを確認してもらいました。
それにしても、1TBのディスクをC:100GB、D:800GBに割り振るメーカーの意図がよくわかりません。OS(Windows)やアプリケーションはデフォルトではCドライブに入りますし、ドキュメントなどの「ユーザーフォルダ」もCドライブにデフォルトは保存されます。
もしこの割り振りで使用するのであれば、使い始めからアプリケーションはDドライブにインストールする、「ユーザーフォルダ」をDドライブに移動する、などしないと、いつかCドライブの空き容量が不足してしまいます。
でも、根本的には・・・今回のようにパーティションの割り振り変更で対応可能であれば、そうするのがベストですし、割り振り変更ができない場合・・・例えばディスクがCドライブだけで、総容量が100GBのようにディスク自体の容量が小さい場合など・・・は、ディスク自体を容量の大きなものに変更して、パーティションサイズを大きくすることで対応可能です。
ハードディスク(HDD)の大容量化に伴い、ディスクの容量不足という現象はほとんどなくなりましたが・・・最近は半導体ディスク(SSD)搭載のパソコンが増えてきて、その中にはディスク容量が128GBや、250GBなどの機種もあり、アプリのインストールや写真や動画の保存などにより、ディスクの容量不足という事象も出てきました。