このブログでも時々書いていますが･･･複合機（プリンター）単体の故障の場合の修理は対応していません。
複合機単体の故障と言うのは･･･本体の電源が入らない、紙を給紙できない、電源を入れるとエラーランプやメッセージが表示される･･･などの場合をさします。
つまりパソコンとは関係ない故障は、原則対応不可です。これは複合機は機械部品がほとんどを占めており、故障した場合でもそれらの部品を交換しないと直らないことが多いです。パソコンの部品と違って、ほとんどが専用部品なのでどらともなどでは、入手できないので、最終的にはメーカーへ修理を依頼することになります。
それでも、プリンターが故障したので調べて欲しいというご依頼が時々あります。その際は、詳細をお聞きして単体の故障と思われる場合は、メーカーサポートへ連絡することをお勧めしています。逆に、コピーはできるが、パソコンから印刷できない、パソコンからスキャンできないなど、パソコンと複合機のやり取りがうまくいかないような複合機単体の故障でないと判断できる場合は、お伺いして対応させていただきます。
そんな中･･･どらともの知り合いからの紹介というかたから･･･複合機を修理して欲しい･･･と電話がありました。詳細をお聞きすると･･･用紙の給紙ができないとのことでした。コピーでも、給紙できずエラー表示になってしまうそうです。こうなると複合機単体の故障の可能性が高いので、治すことは、どらともでは難しいですよ、とお伝えすると･･･近くのパソコン販売店へ持って行ったら、全く相手にされなかった。とにかく一度見て欲しい･･とのことでしたので、日時を調整して複合機を事務所へ持って来ていただきました。
電源を入れて複合機が立ち上がったのを確認してから、試しにコピー操作を行ってみました。
コピーの取り込みが終り、給紙動作にいって暫くすると･･･「用紙がありません、云々」のメッセージが出てエラーランプが点いてしまいます。
背面のカバーを外すことができる機種で、確認しましたが紙などが詰まっているわけでもありませんでした。
複合機のメニューを確認すると「給紙ローラークリーニング」というメニューがありました。
このメニューだと、A4用紙を給紙しました。
クリーニング完了後、再度確認してみると･･･やはり給紙できません。
お客様の複合機は、前面給紙しか対応していないタイプでした。前面給紙の場合は、紙を少し持ち上げてから給紙ローラーで吸取るのですが、給紙ローラーが汚れてきたり、ゴムが硬くなってきたりすると、うまく紙を吸取ることができなくなってしまうことがあります。
お客様は、あまり印刷していないとのことでしたが、ローラー自体は使っていなくても経年変化で硬くなることもあります。
やはり、どらともでは対応できないと判断しました。
お客様の了解のもと、メーカーサポートへ連絡しました。複合機の型番、現象、エラーメッセージの番号を伝えると･･･部品の交換が必要になりますとの回答でした。概略費用をお聞きすると･･･複合機引取り・配送、修理代金を合わせると、新しく複合機が買えるくらいの金額でした。
さらに、使っている複合機の後継機種であれば、すぐに着払いで発送できます･･･とのこと。参考までに金額を聞くと、近くの電器屋さんとほとんど変わらない値段でした。検討しますと伝えて、電話を切りました。
お客様は、電気屋さんで新しく複合機を購入します、とのことでした。修理費と新しい複合機の値段が同じくらいだったら･･･新しい機種を買った方がよいですね。
お客様もメーカーサポートとのやり取りで、買い替えの決心がついたようです。
ところで、今回のお客様の複合機は、前面給紙しか対応していませんでした。背面給紙（後トレイ）は、設置や使用時に場所を取ってしまうので、一時複合機の小型化が流行った際に、背面給紙がなくなり、前面給紙だけの機種が主流になりました。
しかし、前面給紙は、給紙方法に結構無理があり、少し厚い紙だと給紙できなかったり、詰まってしまったりすることがあります。また今回のように給紙ローラーが劣化（硬化）してくると、ほとんど給紙できなくなってしまうこともあります。
その反動か、最近の複合機には、前面給紙と背面給紙の両方の給紙が可能な機種が出てきました。
背面給紙は、昔からあったあ給紙方法で、紙が落ちてくる向きに給紙しますので、それほど無理がありませんし、また厚い紙でも柔軟に対応できます。
どらともも、以前場所を取らないのが魅力で、前面給紙(2段）の複合機を使用していましたが･･･やはり全く給紙できなくなってしまい、廃棄しました。
背面給紙があれば･･･前面給紙がだめでも、背面給紙で給紙～印刷できる可能性はあります。
今回のお客様には･･･できれば後トレイ（背面給紙）がある機種を選ぶことをお勧めしました。
